都道府県市区町村・最寄駅検索

住所   最寄駅 
※いずれも空欄の状態で検索可能です。
検索例①住所「東京都」「新宿区」:東京都新宿区にある医院が検出されます。下記の新宿リンクと同じ結果になります。
検索例②最寄駅「大阪」:全国の「大阪」と名のつく最寄駅の医院が検出されます(「大阪駅」以外の類似名も対象になります。
レディース・メディカルエステ
メンズ・メディカルエステ

切らないプチ整形

ヒアルロン酸

ヒアルロン酸の構造と特性

ヒアルロン酸(以下HA)は一律にくり返す直鎖状のグリコサミノグリカンで、グルクロン酸とN-アセチルグルコサミンから成る2糖が2,000~25,000連なった線状大分子ポリマー構造です[β-1,4-GlcUA-β-1,3-GlcNAc]n(n≧10000)。溶液中でのHAは、伸びたランダムコイル構造をとりますが、各分子間及び分子内の立体的相互作用と自己結合により、絡み合った分子の網目構造も形成して粘弾性を示します。一方、HAの網目構造は細胞外の水分量を制御する浸透圧緩衝剤として働くことと水分の流れに高い抵抗性を持つため、保水能力を発揮します。また、組織内でのHAは他のマトリックス高分子と特異的相互作用により結合して大きな会合体を作り、細胞外マトリックスの重要な構成要素を担っています。最近の研究では、炎症や外傷などによる組織損傷が生じたときには、細胞を修復する機能もあると言われています。

ヒアルロン酸の医学への応用について

ヒアルロン酸の特性を利用して、眼科手術補助剤(白内障手術や全層角膜移植術に使用)、関節機能改善剤(変形性膝関節症、肩関節周囲炎に使用)、癒着防止剤、創傷治癒剤、化粧品などに臨床応用されており、安全性は確立しています。最近では後述のように、しわ治療にも応用されています。

皮膚におけるHA

HAを多く含む組織には、皮膚、眼の硝子体、関節滑液、臍帯などがありますが、特に、皮膚は最も多くHAを含有し、真皮と表皮に約5:1の割合でHAが存在します。真皮は細胞数が少なく、ほとんどが細胞外マトリックスから成るのに対して、表皮は2~3%の組織を除いて角質細胞が満たしているため、角質細胞周囲の細胞外マトリックス中には、最高濃度のHAが存在します。
皮膚におけるHAの代謝は、表皮の角質細胞ではHAを活発に合成・分解し、その半減期は1日以下です。真皮に存在する細胞はHAを活発に合成しますが分解はほとんどしません。真皮中のHAの大部分はリンパ系に流出して、短期間でリンパ腺と肝臓の網内系細胞に捕捉されてライソゾームで分解され、血中に流入するとわずか2~3分の半減期で速やかに代謝されます。

しわに対するヒアルロン酸注入

ヒアルロン酸は成長と共に減少し、大人の皮膚に含まれるヒアルロン酸量は、赤ちゃんの約1/20と言われています。従って、加齢と共に皮膚の保水能力や弾性が徐々に低下し、皮膚の潤いも衰え、皮膚が弛緩し、しわが生じてきます。このような皮膚にヒアルロン酸を補うことで、皮膚老化防止あるいは皮膚の若返りが期待できます。特に、顔の表情筋によらないしわ(額、眉間、目尻、目の下、鼻唇溝、顎など)や窪みにヒアルロン酸を注入すると、しわが解消して弾力のある若々しい皮膚を取り戻します。また、鼻根部、アゴや唇などのボリュームをつけたい箇所にヒアルロン酸を注入して、整容効果を高めることもできます。
しかし、天然型のヒアルロン酸は数日で急速に分解・吸収されてその効果も失われてしまうので、臨床応用できませんでした。そこで、天然型のヒアルロン酸を化学的に修飾して、生体内で徐々に分解・吸収されるヒアルロン酸が待望され、近年ようやく登場しました。

当院で使用するヒアルロン酸

当院で使用しているヒアルロン酸は、安全性が確立しており、EC加盟国や米国FDAでも認可されており、動物材料を使用せずに100%バイオテクノロジーにより生合成されたものです。人により差がありますが、通常のヒアルロン酸は注入後6ヶ月~1年ほどで体内に物質が残ることなく、徐々に分解・吸収されます。従って、効果を持続させるためには定期的な注入が必要になります。
また、アレルギーを起こす可能性も非常に低率です。アレルギー反応の大半は注入部位および周囲組織の腫脹、発赤、圧痛など(稀ににきび様皮疹)で、注入後数日~4週間以内に発生して平均2週間程度続くとされます。

注意事項
アナフィラキシーアレルギーや複数のアレルギー歴を持つ方には、ヒアルロン酸注入は禁忌です。
炎症や感染(にきび、発疹、皮膚炎など)が認められる部位は、症状が消失するまでヒアルロン酸注入はできません。
妊娠中や授乳中の女性あるいは18歳未満の方への使用は安全性が確立していないので、この治療は行いません。
止血・凝固機能を抑制する薬剤を内服している場合は、注射部位に皮下出血する可能性が増大するので、 ヒアルロン酸注入ができないことがあります。
顔面特に口唇に単純疱疹を繰り返しやすい方は、この治療で単純性疱疹が出現することがあります。

ハッピーリフト

ハッピーリフト(HappyLift)とは?

従来のフェイスリフトは、手術によるフェイスリフト、非吸収性の特殊なポリプロピレン糸(アプトス、ワプトス等:糸に細かい棘がついていて糸の両端へ相互に張力がかかるように工夫されている)によるフェザーリフト、あるいはその両者を組み合わせて、しわ・たるみを解消していました。手術では侵襲も大きいため、そこまではしたくないと考えられる方も多く、非吸収性特殊糸のフェザーリフトでは顔面の皮下に永久的に異物として残り、また除去するのが困難なため、一部の方や医師にも抵抗感がありました。

当クリニックで行っているハッピーリフトは、従来のフェイスリフトのような大がかりな手術をすることなく、また非吸収糸による異物挿入で生じるトラブルの懸念を解消した、安全性の高い吸収性糸によるフェザーリフトを行って、しわ・たるみを改善する治療です。ハッピーリフトは、施術後すぐに顔面や頚のしわや下垂したたるみが引き上げられて劇的に改善(リフティング効果)し、その後徐々に体内のコラーゲンやヒアルロン酸の産生を促進して弾力線維を強化・水分保持力を高め、術後2ヶ月後にはより張りのある引き締まった皮膚を実感できます(リバイタライジング効果)。半永久的なリフティング効果ではありませんが、「分解・吸収される事による安全性」と、「皮下組織自体の若返り効果」の観点からも、30~50歳代に適したアンチエイジング治療と考えます。

*治療後から社会復帰までの期間、効果の持続性等を指標とすると、ハッピーリフトは、各種機器による光治療や高周波治療などによる保存的加療と、侵襲性の大きな手術によるフェイスリフトの中間的治療であるといえます。

ハッピーリフトの特徴

ハッピーリフトはPromoItalia社が開発した製品で、生体に安全な生分解性ポリマー(copolymer of polyattide caprolattone-x)が主成分で、手術用の吸収糸としても使用されている材質です。約8~12ヶ月で完全に体内で徐々に分解され吸収され、その間に糸の周囲に強固な線維組織が形成(コラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸などの産生を促進)され、糸が溶けて吸収されても線維化した組織が残るため、リフティング効果やリバイタライジング効果が長期間持続します。開発したPromoItalia社のデータでは、ハッピーリフトは、非吸収糸アプトスに比べてノッチ数を増加させて、リフティング力が25%UP、張力が37%UPするとされています。

施術方法

頬のたるみや目の下のくぼみ、口元、下顎や頚のたるみなどしわやたるみを取りたい部位によって、糸を通す場所が異なり、複数の部位の組み合わせも可能です。また、リフティング効果やリバイタライジング効果が少なくなってきた時に、容易に追加施術も行うことが可能です。
尚、6~8週間後にはレーザー治療、光治療や高周波治療のなどとの併用も可能です。

施術の流れ

  1. フェイスリフトしたい部位、使用する糸の本数などを医師と相談し、最も効果の期待できる施術部位を決定します。
  2. 局所麻酔後、患部位に専用の針を通してその中にハッピーリフト糸を挿入します。その後針を抜去して皮下にハッピーリフト糸を残し、糸の張力を調整しながら適切なリフトアップを行って施術は終了です。

*局所麻酔をしてから行いますので、疼痛はほとんどありません。施術時間は糸の本数にもよりますが、30分程度で終わります。針を使用するため、傷跡は殆ど残りません。
施術当日は麻酔の影響で患部が腫脹しますが、数日から1週間前後で徐々に腫脹は軽快します。また患部に疼痛や皮下出血が生じることがありますが、1~2週間ほどで消失します(個人差があります)。
施術後当日は当然ながら患部に引きつり感が生じますが、違和感は約1ヶ月程度で徐々に軽快していきます(個人差があります)。

施術後の注意点

施術後3日間は施術部位に極力負担をかけないことが必要です。
温めのシャワーは当日から、入浴・洗顔は翌日から可能です。化粧は施術後3日目から可能です。施術後3日間はアルコール類を避け、4日目から軽い飲酒は可能です。施術後1ヶ月間はハッピーリフトによるリフティング効果が安定するまで、顔のマッサージや強く擦ったりすることは避けて下さい。

ボトックス

作用機序と薬理

ボツリヌス毒素は嫌気性菌Clostridium botulinumによって産生される外毒素で、8種類の血清型に分類されています。これらのうち臨床で最も広く使用されているのがA型ボツリヌス毒素で、米国Allergan社(Botulinum Toxin Type A)で製造しているものがボトックス(Botox)です。ボトックスは分子量150kDaの神経毒部分を精製したもので、L鎖(50kDaとH鎖(100kDa)から成る2本鎖ポリペプチドです。H鎖はコリン作動性神経終末に選択的に結合し、細胞内に取り込まれたL鎖はアセチルコリン放出に必要な蛋白SNAP-25を切断するので、神経・筋あるいは神経・汗腺接合部が遮断されます。即ち、ボトックスを注射することにより、局所の筋弛緩あるいは発汗抑制が起こります。一連の反応が発現しはじめるのは3~4日前後で、7~14日前後で最終的な効果が見られます。約3~4ヶ月で新たな神経発芽による神経・筋接合部が形成されてくるために、その反応も徐々に減弱していきます。従って、一定期間でボトックスの筋弛緩効果は消滅するため、効果を維持するためには定期的にボトックスを注入する必要があります。

ボトックスの安全性

ボトックスは1989年米国FDAで承認され、筋肉の活動亢進に起因する多く疾患(眼瞼痙攣、片側顔面痙攣、痙性斜頚、斜視、顔面チック、多汗症、片頭痛、嗄声など)に用いられており、その安全性は確立しています。その後美容治療にも応用され、2002年には眉間のしわ治療薬として米国FDAの認可を受けており、米国の美容治療の中では最も使用頻度の高い製品の一つです。日本でも眼瞼痙攣の治療薬として、1996年にAllergan社ボトックス注100(A型ボツリヌス毒素)という商品名で厚生労働省から承認されています(その後、片側顔面痙攣、痙性斜頸も追加承認)が、現在のところ日本ではしわ治療に対する承認はされていません。
ボツリヌス食中毒を引き起こすにはボトックス30000単位以上が必要とされますが、しわ治療に使用される1回量は5~100単位以内なので、この治療によって中毒を起こす可能性はありません。また、アレルギー自体は非常に少なく、アレルギーテストは通常不要です(アナフィラキシー様症状が出現したという報告もありますが、極めて稀です)。
当院では高い安全性と実績を持つ、米国Allergan社の純正製剤のみを使用しています。

ボトックスによるしわ治療

適応しわ:眉間の縦しわ、額の横しわ、目尻のしわ(カラスの足跡)
特に眉間と額のしわでは筋肉が過緊張していることが多く、ヒアルロン酸などの注入をしてもその効果はあまり持続しないため、ボトックスがより有効と考えられます。
実際の治療は気になるしわの原因となっている筋肉を同定し、数ヶ所にこのボトックスを微量注入します。注入する場所や個人差の問題はありますが、3~4日前後ぐらいから効果が出始め、7~14日前後で最終的な効果が見られます。効果は4~6ヶ月持続します。1年に2~3回を目安に続けていくことをお勧めします。治療にあたり、製剤の注入に関して豊富な知識と経験を持つ院長が細心の注意のもとに施術を行います。尚、ボトックスを左右対称に同量注射しても注入部位を勝手に揉んだりすると、目的の筋肉以外にまでボトックスが周囲に拡散して近隣の筋肉まで麻痺してしまい、顔面の非対称が生じる可能性があります。従って、ボトックス注入部位は、周囲への拡散防止のため、絶対に揉まないで下さい。

副作用発現率

眉間のしわ治療へのボトックス使用での副作用は、頭痛(13.3%)、呼吸器感染症(3.5%)、一過性眼瞼下垂(3.2%)、嘔気(3.0%)、感冒様症状(2.0%)であり、稀に顔面痛、注射部位の紅斑、筋緊張低下を引き起こすことがあります。(これに対して、眼瞼痙攣、片側顔面痙攣、痙性斜頸へのボトックス使用では、副作用発現率は14%前後で、兎眼・閉瞼不全、嚥下障害、筋緊張低下、眼瞼下垂、流涙、頭痛、注射部腫脹、倦怠感、顔面麻痺などがあります。)尚、本剤を長期間繰り返し注射した場合や短期間(3ヶ月以内)に再注入を繰り返す場合には、体の免疫反応によって中和抗体が産生されて、効果が薄れる可能性があります。

禁忌

妊婦、妊娠の可能性のある方、授乳婦。
神経筋接合部の障害を持つ方(重症筋無力症、筋萎縮性側索硬化症など)。
以前にボツリヌス菌が原因と思われる食中毒の既往のある方。
本剤の成分に対して過敏症のある方。

慎重投与

下記の投薬中の方は、医師の診察とカウンセリングが必要ですので、御相談下さい。
筋弛緩剤(塩化ツボクラリン、ダントロレンナトリウムなど)、塩酸スペクチノマイシン、アミノグリコシド系抗生物質(硫酸ゲンタマイシン、硫酸ネオマイシンなど)、ポリペプチド系抗生物質(硫酸ポリミキシンBなど)、テトラサイクリン系抗生物質、リンコマイシン系抗生物質、抗痙縮剤(バクロフェンなど)、抗コリン剤(臭化ブチルスコポラミン、塩酸トリヘキシフェニジルなど)、ベンゾジアゼピン系薬剤および類薬(ジアゼパム、エチゾラムなど)、ベンザミド系薬剤(塩酸チアプリド、スルピリドなど)、ペニシラミン、カルシウムチャンネルブロッカーなど

*筋弛緩作用が増強されるため、閉瞼不全、頚部筋脱力などの症状が出現することがあります。
また、併用薬の抗コリン作用による嚥下障害が現れる恐れがあります。

ボトックスの応用

腋窩多汗症

多汗症はエクリン汗腺の機能亢進状態であり、精神的刺激や温度刺激などで顔面、手掌、足底などに滴るほどの発汗を生じます。
汗腺はコリン作動性神経支配なので、ボトックスにより神経・汗腺接合部が遮断されて、発汗を抑制できます。表面麻酔後に、腋窩の皮膚へボトックスを1.5cm間隔で皮内注射をします。3~4日前後ぐらいから効果が出始め、7~14日前後で最終的な効果が見られます。効果は3~8ヶ月持続します。
皮内への注射なので、筋力低下の副作用は生じません。尚、腋臭症に関しては無効なので、外科手術(汗腺剪除術)をお勧めします。

手掌・足底多汗症

理論的には上記と同じ要領でボトックスを皮内注射することになりますが、この部位では注射に伴う疼痛が強いために神経ブロックなどの麻酔の前処置が必要なことと、手掌・足底の筋力低下の危険性があります。 従って、現時点では当院では手掌・足底多汗症の治療を行っておりません。多汗症の治療には、ボトックス以外にも胸部交感神経節切除術があります。特に手掌・足底多汗症の治療には有効とされていますが、代償性発汗(背部、前胸部、腹部、腰部、大腿部、下腿部などに異常発汗が起こる)が生じることが多いとされているので、その長所と短所を十分理解した上で治療されると良いでしょう。
この他にも、エラ顔(奥歯に力をいれるとぐっと外へ張り出す筋肉(咬筋))にボトックス注入して小顔にする応用もありますが、当院では咀嚼や咬合などに不都合がある可能性があるので、行っておりません。

▲ページトップに戻る