美白剤
肝斑、雀卵斑、炎症後色素沈着、光老化(しみ、そばかす、老人性色素斑など)などに有効です。 下記に代表的な美白剤を紹介します。
ハイドロキノン
ハイドロキノンはチロシナーゼ活性を阻害してメラニン合成を阻害し、また、メラノサイトの細胞活性を抑制して漂白作用をおこします。欧米で最も汎用されている安全性が高い可逆性の美白剤ですが、我国では未認可です。
しかし、現実には2~10%濃度のハイドロキノンが流通しています。副作用としては、刺激性接触皮膚炎、爪変色、炎症後色素沈着、脱色素斑などがありますが、使用中止すると軽快するとされます。
長期使用で組織褐色変症を生じることがありますが稀です。
ビタミンC誘導体
ビタミンCはドーパキノンをドーパに還元して間接的にチロシナーゼ活性を阻害してメラニン合成を阻害する美白剤です。ビタミンCの安定化ならびに経皮吸収を促進するために、その誘導体が開発されています。
ビタミンCは真皮に直接作用してコラーゲンの再生を促し、また、抗酸化作用を持つため、紫外線により生じる活性化酸素を無害化する作用があります。
ケミカルピーリング後やイオントフォレーシス時にビタミンCを使用すると、経皮吸収が促進します。
レチノイン酸
レチノイン酸はビタミンA(レチノール)の誘導体で、その生理活性はレチノールの約300倍です。レチノイン酸は表皮のターンオーバーを促進し角質を剥がれやすくし、角質層を増殖させて表皮を厚くし、皮脂腺の分泌を抑制し、表皮基底層周囲に存在するメラニン顆粒の排出を促進します。
また、真皮では線維芽細胞を刺激することにより、コラーゲン線維やムコ多糖を増やして真皮の厚くしますが、その効果の発現には時間を要します。海外では広く臨床に使用されていますが、本邦では未だ未認可です。
副作用として、皮膚刺激症状(ひりひり感、痒み、発赤、腫脹)が外用開始後2~4週で最大になり、遅れて皮膚乾燥や落屑が出現しやすいです。また、催奇形性の可能性があるため、外用治療時は、避妊して下さい。
特に、色素沈着には作用機序の異なるハイドロキノンとレチノイン酸の併用が最も効果的です。